病んでますよーだ

milemile12342005-07-18

3流院生Sは深夜、研究室で黙々と発表資料を作っていた。頑張って出力したグラフを発表資料に貼り付けていく作業は地味で単調であるものの、着々と完成度があがっていく資料を見るにつけ、疲労感と共にほんのちょっとの満足感も感じていた。Sはあと2枚貼れば、いちおう資料ができあがるという段階になって、もっと完成度を高めたいという欲が出てきていることに気付いた。少し考えた末に以前作っておいたモデル図をここに貼り付ければ、より見栄えが増すなぁと彼は考えたらしく、そのファイルをネットワークを介して、自分のパソコンからコピーしてきた。完成度があがるのなら、こういう地味な作業も嬉々としてこなす彼。今年で齢24。体重ちょっと増え気味。そんな健気に頑張っている彼の姿を実家の父と母が見たら泣いて喜ぶ・・・わけねー。


さてさて、コピーしてきたそのファイルを喜び勇んで発表資料に貼り付けた瞬間、事件は起こった。どうしてだろうか彼の目の前にあるパソコンがうんともすんともいわなくなり、マウスすら動かなくなったのである・・・すぐさま彼は「まぁ、君も調子悪いときもあるよね」といつものようにCtrl+Alt+Deleteでパワーポ○ントを終了させた後、再起動するという作業を行なった。しかし、しかしである、そこにかつて彼自身に満足感を与えていたデータは存在していなかったのである。いや正確にはデータは存在していた。はるか昔(数時間前)に作ったデータが。そんなファイルには全くもって意味が無い。数時間の努力が無駄ではないか。ひとまず彼は「落ち着け落ち着くんだ」と湧き上がる感情を抑えつつ、いつものように「復元されたデータ.ppt」がないか、ハードディスクの中を探し回った。ほどなく、そのデータは発見され、彼はほっと胸をなでおろした。早速、彼は復元されたそのファイルを「たたっ」っという音とともに開いてみた。画面に映し出される見慣れた青い発表資料。
しかし、そこには以前とは全くと言っていいほど中身が異なるグラフがぐちゃぐちゃの発表資料の姿があるだけだった。

3連休最終日、彼はこの世の中に神様なんていないことを知った。


湧き上がる感情を抑えきれず、ダークサイドに落ちたスターウォ○ズepi3の主人公のように数分間に及ぶ絶叫につぐ絶叫を繰り返した彼には、もはやあの輝かしい資料を作り直す気力も残っておらず、ただただ自分の愚かさとどうしようもないソフトを出してくれたマイ○ロソフトを呪うばかりであった。死ねっ!オフィスなんて死ねっ!パ○ーポイントなんてもう使わねぇ!このタコ!と彼は幾度となく叫んだ。その声は下の階の院生にも聞こえる程であったそうな。

叫び疲れたせいか、しばらくは研究室のソファにぐったりと横になることしかできなかった彼だったが、ふとあることを思い出した。もしかしてファイルサーバにはBack upがあるんじゃないか?そう思いたった彼はサーバーからそのファイルを探しだし、祈るような思いで開いてみた。かちかちっ。そこには以前と同様のまばゆいばかりの完成度を誇る発表資料が存在していた。


後日、彼はインタビューにこう答えた


「やっぱり神様はいるんだね」


どうやら、えっち!な動画をだうんろーどするのが習慣化している彼にも神様は微笑んでくれたらしい。まさに捨てる神あれば拾う神あり・・・でもないか


今日の資料完成度85%
発表練習2回目
憎しみは人を壊してしまうと体感した、そんな1日